職場に入ってきた新人くん。朝、現場へ向かう準備をみんながしているのにボーッと見ていたり、他の人が運転中眠っていたりで「空気が読めない奴」と悪い評判が立ち始めている。
個人的に話してみたら案外話せる奴で、少しの努力をすれば溶け込める。「わかっていることを教えてあげないのは不親切だ」というのが先輩の師匠の言葉だったので、それとなく教えてあげることにした。何の説明もせず、仕事が分からないからといって勝手に腹を立てる職場のやり方には僕も納得行かないし。
そこで新人くんが助言を受け入れやすくするために使ったのが『葉隠』。
「おおかたの人は、人の好かない、言いにくいことを言ってやるのが親切のように思い…こうしたやり方はなんら役立たずで、ただしたずらに恥をかかせ、悪口を言うだけのことと同じ結果になってしまう…自分の失敗を話し出したりして、よけいなことは言わなくも思い当たるようにしむけるのがよい…」
というわけで、同じような失敗に覚えがある自分の経験談を織り交ぜて注意してみた。すると新人くん、「そういうもんですよ、前の職場はもっとひどくて…」
なんで俺が慰められなければならないんだ!!
そういえばサンボに来ていた初心者のHくんも、スパーリングのインターバル中猪木や前田日明やランデルマンの話題などどーでもいい無駄話をしてくるので、最初のうちは他の人の動きを観察するのも練習のうち、そもそも集中力を欠いてやると怪我をするとわりと厳しく注意したら「ああ、そういうことってありますよね、僕の叔父さんも柔道の練習中に…」
誰もお前の叔父さんの話なぞ聞いちゃいねぇ!!
一体最近の若者は、なんで叱られてるということを分かってくれないんでしょうか。武士道も僕の感性も過去の遺物なんでしょうか??