僕の自宅電話の番号を前に使ってた奴はキムラっていうらしく。なぜ分かったかというと、ここ数日立て続けにキムラへのセールスの電話が相次いでいるからである。やれ結婚相談所やらマンションを買えだ…。
今日のマンションを売ろうという女はとびきりだった。キムラじゃないって言ってるのに物怖じせずに「えー、そうなんですかー?? 私はE区内で住居を紹介しているものでー」
「いえ、引っ越してきたばかりですから…」
「今の御家賃はいくらですか??」
「…○万円ですけど」
「その月々○万円で買えるマンションがあったらどーですかぁ??」
「いえ、引越しの資金もないし…」
「その、引越しのお金が全く要らないとしたらどうですかぁー??」
そ、そんな物件ってあるんだろうか(汗)。
「いえ、でもここ引っ越してきて半年も経ってないから気苦労はしばらくいいです」
「近々家族が増える予定なんてないんですかぁ?」
「(カチン)ないですねぇー(乾いた笑)」
「彼女と相談して新居のご計画なんてどうでしょう??」
「いないですねぇ(ひきつり笑)。そのときになったら考えます」
「そうですかー、夜分に失礼しましたぁー」
ガチャン。まったく、俺に彼女がいないことを何で見ず知らずの女に開陳せにゃならんのだ。木村じゃないのに。大方、キムラの電話番号が載った名簿かなんかが流出したんだろう。うかつな奴。うかつなら自分に被害が及ぶポカをすればいいものを、なぜかそのポカに悩まされるのはキムラの顔も見たことない僕である。
くそー、とにかく俺はキムラじゃねぇっっっ!!
画像は、電話がかかってくる直前まで作ってたナスとピーマンの肉詰めのフライ。焦げた。