仕事で、某大学病院行きの無料バスの中で。
朝ということもあって、患者以外にもお見舞いと見える人や職員がたくさんで、マイクロバスの中はほぼ満席。
最後のほうに乗ってきた明らかに80代くらいの老人が、席が無くて立ったまま。ただの想像だけど、この年齢で病院に来るということは職員ではないだろう。見舞いの可能性も無くは無いが、可能性は低い。定期健診またはどこか具合が悪いか。すなわち患者の可能性が一番高い。
席を譲りたかったが、マイクロバスに乗ったことがある人であれば分かるだろうけど真ん中に補助席を出せるようになっている。一番後ろの席に座った僕の前にその補助席を出して座った中年がおり、遮られているためそれもできない。
病院までの間はたった三分だったし、急カーブも急ブレーキもなかった。老人もそれが日常で慣れっこなのかもしれない、立ったままで別に危なげなかった。
が、とにかく最終的に、職員も見舞いの人も、誰も席を譲らなかった。
…やっぱり、席を譲る若者なんてごく少数派なんだなぁ、と思うとともに、間に障害があったにしても結局譲れなかった自分がとても見苦しく感じられ、恥ずかしかった。